第11 通信

韓国政府はかつて郵便制度を持たなかった。
朝鮮に初めて郵便局のできたのは、明治9年帝国政府が釜山に郵便局を開いたことに始まる。
その後、在留居留民の増加に伴い、同13年以来逐次、元山、仁川、京城その他の各開港地に郵便局または郵便局出張所を設けた。
自国の郵便制度を持たなかった韓国政府は、明治29年帝国の制度を習って郵便制度を布き、のち、明治33年万国郵便に加盟して、 ようやく体裁を整えたが、機関の設備事業の経営きわめて不完全な状態であった。
この統一整備をするため、明治38年4月締結の韓国通信機関委任に関する取決め書に基づき、これを帝国政府の管理に委任した。
併合後においては、財政の許す限りその改良をおこない、今日に至った。
現在の通信機関の配置は、都市部、近郊を通じて900を超え、主要地には電信電話を開始して従来の面目を一新、昭和9年3月末現在では、

 
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郵便局 85
郵便局分室 11
同 出張所 2 電信局 7
電話局 1
同 分局 2
郵便所 715
郵便取扱所 16
電信電話取扱所 13
電信取扱書 95
同 出張所 1
郵便切手売捌所 4974
を算するにいたった。

電信は明治17年2月、帝国政府が釜山に電信分局を設置し、内地と通信を開始したのが最初であり、
無線通信は明治43年総督府設置に前後して仁川月尾島、黄海道青島および木浦の各灯台および当時の官有汽船に設置したのが最初である。
電話の経営は韓国政府も帝国政府もともに明治35年に開始したが、明治38年通信機関の合同に際して、両者統合することとなった。
合同当時における韓国政府の経営による加入者はわずかに65人、帝国政府経営による加入者は1037人であった。
郵便為替、外国郵便為替、郵便貯金は共に明治13年在釜山帝国集便局において業務を開始ししたのが最初であり、 郵便為替貯金業務は明治39年3月在鮮帝国郵便局において、内地と同時に取り扱いを開始した。
簡易生命保険事業は昭和4年10月1日より実施した。
朝鮮における電気事業は、明治32年アメリカ人経営による漢城電気会社が、韓国政府の特許を受けて、京城に軌道を敷設し、電気鉄道事業を開始したのが最初であるが、 その発達ははかばかしくなく、日韓併合時の電気事業者の数は3、その払込資本金330万円、発電力1380ワットに過ぎなかった。
併合後、様々な事業が振興したが、内地における電気事業に触発されて、内地企業が進出したり、既設事業の拡張、新規起業も相次ぎ、目覚ましく発展した。
昭和8年末の営業用電気事業者数56、資本総額124179000円、払込額100406800円、発電力304007キロワット。
その他未開事業者2、官用17、自家用95を合算して170に達している。
ガス事業は、京城、釜山の2か所にあるのみで、いずれも電気事業者の兼業に属し、前者は明治42年、後者は大正元年より事業を開始し、昭和8年においては 固定資産2488947円、1年のガス供給量6292235立方メートルである。

通信機関の推移

明治43年昭和8年
郵便局19185
郵便局分室、出張所313
郵便所142705
郵便取扱所216
電信局07
電信取扱所5995
同 出張所01
電話局01
同 分局02
電信電話取扱所013
郵便切手売捌所8554974
郵便箱9346374
公衆電話3080

単位千円

最終更新日: 2014-01-19 17:17:51

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