第1 朝鮮は変わった

禿山に白衣−これが朝鮮の昔の姿であり、象徴であった。
それが今日は如何?緑の山々、色とりどりの服装、過去25年間に朝鮮の面目は一変した。
通りすがりに見るだけでも、これだけの目立つ変化がある。
この著しき変化は、山や服装の変化ばかりではない。
精神文化においても物質文化においても世界史上に比類のない躍進を遂げている。
教育、農業、工業、商業、貿易、林業、鉱業、水産、鉄道、通信、警察、衛生、その他社会全般の事象、 ことごとく想像以上の発達と変化を遂げている。
過去25年間の朝鮮統治の努力の如何に大なるものであったかを思わねばならぬ。また、知らねばならぬ。
25年!躍進朝鮮!しかし、それは、芽生えの姿である。25といえば、男はこれからというところ。
朝鮮はこれから本格的活動に入るのである。

第2 朝鮮というところ

朝鮮は一般内地人が考えているように、小さいところではない。
面積からいえば、本州の総面積から滋賀県の面積を引いたくらいである。
総面積14312平方里、海岸総延長4395里におよび、人口21125827人である。
25年前の人口は13313017人である。

朝鮮の海岸は、東方と南方および西方を比較するに著しき差異があり、東海岸は出入りきわめて少なく、 岬湾島嶼甚だ稀で良港に乏しく、わずかに元山、城津、清津、羅津、雄基等があるばかりである。
しかるに南方および西の海岸は長渚曲湾が連なり、大小の島嶼が分布して、幾多の内海浦湾を形成し、 釜山、鎮海、馬山、麗水、木浦、群山、仁川、龍塔浦、鎮南浦等の諸港の他、錨地がなかなか多い。

朝鮮の情勢を見ると、北境には長白山脈が長く東方から南方へ延び一抜南に延びて平安、威鏡の境を割って江原道に入り、 海岸線に沿って南方に走り、これを以て半島の背骨となっている。
大山脈が東側に偏っているため、山の東側には勾配が急でほとんど平野というべきものがなく、河川も小さなものしかない。
これに反して、西側は比較的緩斜面で平野が多く、鴨緑江、大同江、錦江、洛東江などの大河が流れている船の便、灌漑の利あり、 地味も概して肥沃である。

朝鮮は大陸に続いているので、大陸性の気候を呈することは自然の理であるが、世人が一般に想像しているように、 夏はめちゃくちゃに暑く、冬はむやみやたらに寒いというところではない。
冬が長く夏はこれに続き、短い春と秋は爽快このうえない絶好の季節である。

半島の年平均気温を内地と比較すれば、
 南鮮=北陸、奥羽南部および関東北部
 中部=奥羽地方
 北部=北海道
 蓋馬高台地方=南樺太
に匹敵する。

国境の中江鎮地方では氷点下39度にも達することがあるが、これは例外で、寒いといわれる西鮮地方でも、最低気温は氷点下23度、北鮮沿岸地方で20度内外である。
数字的に見ればちょっと驚かされるが、内地と比べれば中部日本以北の気候に近く、見ようによっては大して驚くにあたらぬ。
それに朝鮮の他の気候要素は比較的自然の恵沢を蒙りつつあるから、住みよい。
というのは、風が弱いこと、晴天が多いこと、冬季は大陸気団の盛衰が周期的になり、三寒四温の現象が起こる。
3と4は正確ではないが、寒い日が数日続くとその後これより長く暖かい日が続くというのが通例であるから、いかにも過ごしやすい。
夏は暑いといっても問題にならぬ。日中はかなり暑いことがあっても空気が乾いているので男性的なすっぱりとした暑さであり、 朝夕は何ともいえぬ爽快な涼風が湧くので素晴らしい。
朝鮮の空の美は特筆すべきことである。

最終更新日: 2013-11-13 06:10:21

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  第9 商業
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  第7 金融
  第5 租税
  第4 財政
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  第2 朝鮮の戸数と人口
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